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仁礼栖香 攻略ver1.01 [かにしの]

仁礼栖香 攻略ver1.01(06/12/17)

第01話「汝等此処より入りたる者」
覚めているはずなのに、夢を見た。 桜の精がいた。 舞い散る桜の中で、ゆめのように、まぼろしのように立っていた。
その姿はひどくはかなくて。いまにもきえてしまいそうで。
物憂げに開いた目は、別の場所を見ているようで。うしなわれゆくものを見ているようで。ここにはないどこかを見ているようで。
それだけで僕は、なんだかたまらない心持ちで。ゆめとうつつのさかいめでゆらゆらして。
桜吹雪のヴェールが消えても、ゆめまぼろしの彼女の姿は消えず、そんな彼女を僕はただ見ているだけで。
声なんかかけたら彼女が消えてしまいそうで。桜の花びらになって消えてしまいそうで。夢が覚めてしまいそうで。
ゆめの住人である証拠に。彼女には僕らの姿は見えてないらしくて。この世界なんか見えてないらしくて。
その目はこちらを向いてはいても、僕を通り抜け何か別の、そう、僕の背後に広がる青空でも仰いでいるかのようで。
でも、それすら見たくもないと云う風に、彼女はしずかに目を閉じた。
そうやってどれほど立ちつくしていたろう。
彼女は一瞬だけ目を開き。名残惜しい世界を眼底に焼き付けるように見つめて。
一瞬後、目を閉じて、舞う桜に身を任せていく。
彼女だけに見えている世界に消えていく。ここではないどこかへ消えていく。
舞い散る桜のヴェールが消えると。彼女も消えていた。
いなくなったのか、それとも最初からいなかったのか……。

とりあえずほうっておく
第02話「分校のありふれた日常」
決して本人の前では口に出されぬ渾名。『寮の標準時』仁礼栖香の足音。
廊下へ出てみる。
一瞬だけ静まる辺りが仁礼の権威を皆が認めている証拠であり、一瞬だけな辺りが、権威の限界っぽかった。
食堂でBREAKFAST
仁礼の助けを借りる。
仁礼に聞いてみる。
外出したコトあるの?
栖香「いくら決まり事とはいえ、年頃の娘が教師の殿方とふたりきりで外出など、ふしだらです」
ここで相沢を待つ
第03話「遊園地へ行こう!」
仁礼を追いかける。
第04話「家族の肖像」
家族の団欒の邪魔しない。
迂回作戦
第05話「わたしを野球につれてって」
栖香「滝沢先生。教師なのにたまにしか学院生の役に立たないというのはどういうことですか!」
仁礼についていく。
邑那「貴女は、他人の助けを借りることを覚えるべきだと思います」
邑那「弱音を吐かず、全てを自分で解決しようとする。それは欠点とは申せません。ですが、それでは解決できない問題はあると思います」
仁礼は途方にくれたように立ち尽くしていた。試合が始まった時の自信に満ちた様子は欠片もなく。彼女自身すがる場所を求めているみたいだった。
相沢が一瞬、なぜか僕を見た。仁礼を助けてくれと言ってるみたいだった。気のせいかもしれないけど。
司「野球をすればいいと思うんだ」
仁礼の目がすがってくる。救いを求めてくる。
いつも僕を助けてくれる彼女を、今は僕が助けなくちゃいけない。
第06話「The Roller Coaster Memories」
ソフトボール大会ではじめて見た仁礼の表情。まるで助けを求める仔犬のようなまなざし。
あれ以来、ほっとけなくなって、出来る範囲でだけど手伝うようにしている。
なんでも引き受けて、なんでもこなしてしまえて、人に頼ることを知らない彼女。
そんな子をほっておけるわけがない。
第07話「Can I live, without rose?」
仁礼の性格通り細部までが描き込まれ、隙のない整った絵だった。
だけど、それだけだった。本校舎の絵だな、という感想にもならぬ感想が浮かび、それ以外の感情は何一つ浮かばなかった。
正臣「でも、貴男との事を話している姉は非常に楽しそうでしたよ」
正臣「姉を楽しそうにさせるのは、このボクにさえとても難しい事だというのに……。シスコン気味の弟としては、一寸嫉妬しましたよ」
第08話「SISTERS」
暁「誰にも深入りしない決意をしてるなら潮時を見つけ次第引いておけ」
美綺「すみすみが誰にも言うなって言ったからだよ」
美綺「日本の正しいお姉ちゃんは、妹のいやがることはしないのだ」
栖香「だ、だって、実家の桜を思い出して、ホームシックになっている所を、見られてしまっていたなんて……」
栖香「え、ち、違います!私はそんな子供じゃありません!ホームシックなんて知りません!」
このごろはいつもすぐ側に仁礼がいた。四角四面の優等生に見えて、実は純情で世慣れていない愛らしい仁礼が。
第09話「LONLEY & SUNSET」
栖香「私……両親に捨てられてしまったんです」
栖香「仁礼の家は終わりだから、ひとりで生きろって」
もう仁礼が愚痴をこぼせる相手も、打ち明け話を出来る相手も、僕しかいないのだ、と。
栖香「では……今だけは忘れてくださいませんか……。教師と教え子だと云う事を」
僕らは共犯して越えてしまった。教師と教え子の距離を。
可憐なくちびるが震えていた。
僕は身をゆっくりと起こし、仁礼はゆっくりと身を沈めていく。
長いまつげがキレイだなと思う。
はじらいにバラ色にそまった頬がいとしい。
女の子の肌のあたたかいにおいがする。
そして。
距離は0。
僕らははじめてのキスをした。
第10話「KISSES」
栖香「私は仁礼家の長女なんです……。人に迷惑を掛けてはいけない、一人で何でも……出来なければいけないんです」
栖香「其れなのに……司さ……先生に……」
栖香「私……以前通っていた学院で……。担任の教師に襲われかけて……事件になって……。其れで両親に捨てられたんです………」
第11話「Sparkling Gentleman & Virgin Lady」
キスだけにしても僕は、いや僕らは、確実にはまっていた。
栖香「わ、私が、其の司さんの原初的発情を処理して……さ、さしあげなければと……」
栖香「処理できます!私がします!させてください!司さんのあそこを握ってしごかせてください!そして一杯出させてください!」
栖香「このぬるぬるしたのが……先走り……。司さんの子種……」
栖香「存分に!存分に子種をお出しください!」
栖香「これ以上許すわけには……」
栖香「で、でも力づくで迫られたら……、私は……それでも……だめ」
栖香「で、でも……少しくらいは迫ってくれたら……だめ、それはだめっ」
栖香「いっそ……司さんに穢されれば……私は……家の事を忘れられるのかな……」
諦めてしまうなら、栖香は仁礼の家から逃れたがってるというコトであり。
そうでないなら、栖香は今でも仁礼の家にしがみついているコトになる。
栖香「司さんは!いつも私の事を大切にしてくださってます!勿体無いくらい大切にしてくださってます!」
大体、どちらの答えが正しいかは、分かってしまった。
でも、僕がわかっても仕方がない。栖香本人が判らなければ意味がないのだ。
栖香は捨てられたのかもしれない。
だけど、栖香は信じたがっているのだ。いじらしいほどに一途に、何の根拠もなく。
栖香の理性は、実家に捨てられたと考えている。確かに、状況証拠を見ればそうみえる。
だから、彼女は理性と感情の矛盾を解消したがってた。
僕という男がゴルディアスの結び目を断ち切るように、自分の悩みを力づくで断ち切ると。
でも……僕を選んだ時点で全ては決まっていた。
だって、栖香本人がはしなくも言ってたじゃないか、『司さんは私の事をいつも大切にしてくれます』と。
彼女は、僕に犯されることで、問題が解決される可能性を最初から考えてなどいなかったのだ。
美綺「『頑張りましょう』って言ったんだよっ。すみすみがさアタシに、このアタシに、自分から話しかけてくれたんだっ」
栖香「其の…(責任をとるとおっしゃっていただいたときは嬉しかった)…ですし…」
栖香「で、でも、あそこまでされなかったら、私には判らなかったと思うのです。自分はまだ仁礼に縛られているという事が」
第12話「PROMISE」
『寮の標準時』の足音。ただしいつもより26分遅れで。
二階は四日続けて大混乱に陥った。
栖香「皆が気付いている気がして恐くなって……其れで……其の、思い切って……。だって履いてなければ嗅がれる事もないですから」
司「あ、朝から昼までノーパンだったの?風とか吹いたらどうするつもりだったんだよ!」
栖香「其れなら私を……つ、司さんのし、尻穴奴隷にしてくださいっ!」
司「ええと……シリアナード・レイって何?」
栖香「………(間違ってなくて)………よかった……」

栖香「つまり、お前はもう仁礼家の者では無いから勝手にしろ、と私に言っているのも同じです!」
司「でも、栖香の意に添わない結婚なら、しなくていいと思っているのかも。御両親は本当は栖香を深く気に掛けて」
僕が栖香を見捨てたりしないと感じていても不安なんだろう。
なぜなら。僕らには何か約束とか契約とか誓約がないから。
なぜ僕らは、なにも約束しなかったんだろう?
栖香は家に囚われていたからだし、僕は……。

千鳥・鶫「でも♪でも♪忘れちゃいけません♪」
千鳥・鶫「ふたりのベッドを支えるのは、1500メートルの深海から突き出した、直径20センチもない柱なのです♪」
第13話「The Transient Daydream」
栖香はほほえみを浮かべたまま、僕に歩み寄り背伸びをした。
刹那。くちびるにやわかくあまい感触がしすぐ離れた。
手のひらに、硬くて冷たくて小さな物が押しつけられた。
栖香「お別れです」
第14話「Family」
司「確かめなきゃな」
美綺「そうだねセンセ。確かめなくちゃね」
本当は嬉しかったのだろうに、仁礼家の娘は仁礼家の足を引っ張ってはいけない、と、そんな意地を張ったのだろう。
仁礼父「もう仁礼の家は終わりかもしれないから、私達の事など考えず、自分の幸せをみつけなさい。ひとりで生きる覚悟を決めなさいと、言いました」
栖香が言った内容とは、なんかニュアンスが違う……。
優しい御両親じゃないか。これが芝居とは思えない。
仁礼父「娘の幸せと引き換えに屋敷を守っても、虚しい事だ。どちらが大切かなど議論の余地も無い」
司「栖香。好きだよ。判っているだろうけど、教師が学院生をじゃなくて、一人の男が一人の女を好きなんだ」
栖香「わ、私だって司さんの事、好きですよ……」
仁礼父「栖香。お前の事を私達は何も判っていなかった。お前を世の悪事から遠ざける為に凰華へやったが、其れよりも、お前の為に戦うべきだった」
仁礼母「私達は、何があっても、栖香の味方なんだって言ってあげるべきでした」
Epilogue「Cherry Blossoms」
舞い散る桜の花びらが、夢とうつつのあやうい境を示すヴェールのように、僕の視界に霞をかける。
だけど初めて見た時とは違い、栖香はあたたかさといいにおいをまとった、一人の女の子として僕の側にいてくれる。
その事実がたまらなく嬉しい。
司「来年もふたりで桜を見ようね」
栖香「約束です司さん」

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