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神聖にして侵すべからず レビュー [ゲームレビュー]

神聖にして侵すべからず (PULLTOP)

『遥かに仰ぎ、麗しの』の分校編みたいな雰囲気が好きな人なら気に入るんじゃないかなーっていうくらいの丸谷さん色の濃い物語でした。

シナリオ
基本的に11話編成(一つだけ13話)で、話数区切りをつけながら進めるタイプ。3~4話までに選択肢があって、攻略キャラを決めてそのまま一直線です。
戯れに存在する国民3人の小さな王国。そんな王国の一夏の物語といったところでしょうか。
始まりから寂しくて物語の最初から「終わり」を感じさせる、言葉で説明しにくいもやもや~とした感情に苛まれるのですが、どうして「王国が存在しているのか?」など、そういう人間性、感情面を細かくつついてくる作品となっています。
瑠波と操といった王国に関わるシナリオは特にその方向性が強くて、ここに理屈だけでは説明できない「感情」が大きく関わってくるところに面白味を感じられるかどうか。
キャラゲーではないので、あのキャラが可愛いだろうから…とかそういう理由ではやらない方がいいです。
こういうのがシナリオゲーの醍醐味だと打ちのめされました。最近キャラゲーばかりやってて足りないと思っていたものが得られた感もあり、(もちろんそれだけでないけど)私の中では高評価です。


グラフィック
仁之丞さん原画ということで、作風もあるのだろうけど、いまいちパッとしない絵だなーというのも事実なわけで。
昔のPULLTOPがたけやさんに藤原さんだった頃と比べてしまうと、派手さも可愛さもちょっと弱いかなーと思ってはしまいます。
これが新規ブランドだとか普通の中堅レベルだったら決して文句は言わないくらいには良い出来なのだけど、やっぱりPULLTOPには今までがあるから余計にそんなことを思ってしまいます。


音楽
BGMには特に言うこともないです。雰囲気に合わせた感傷的なメロディが多いのが特徴かもしれません。
主題歌はOPがいい曲です、抽象的な雰囲気ではありますが作風に近いとはいえるかなーと。
EDは今ひとつ…。曲そのものというより作品内での使い方がね。


総評
シナリオのところで褒めるだけ褒めておきながら言うのもアレですが、凄い好きなシナリオが2つある反面、後はパッとしないシナリオが1つ、よくわからないシナリオが1つあって総合的に「レビュー」という観点から言うと高い評価にするのは詐欺かなーと考えています。
ただ、冒頭に書いたように丸谷シナリオゲーが好きなのであれば、プレイしないと後悔するレベルです。
順番としては、プレイした人を見ると瑠波を最後にやった人が多そうですが、操は瑠波の後にやった方がいいような気がします。他のシナリオで瑠波がとった行動の意味を考える上では瑠波は最初にやってしまってもいいとすら思いますが、そこまではこだわらなくてもいいのかな?
それにしても、発売直後にやってる人少ないっすね。PULLTOPというブランドはもはや限界が来ているのかなぁ…。それとも私が過去というくだらない亡霊にとりつかれているだけなのかなぁ…。このタイミングでこういう内容のゲームを出してきたのも意味深だし、とか色々考えてしまいますがよくわかりません。
ただそれでも、瑠波と操シナリオのおかげでこの作品そのものは大好きだし、PULLTOPにけじめをつける作品としてはこれでいいのかもしれない。

コメント(2) 

コメント 2

jade

発売直後にプレイした少数派の俺が来ましたよっと。
私的には瑠波◎、澪里・操は普通、虫ガール×って感じで、作品全体として考えると物足りなさを覚えました。
PULLTOPらしい温かさはあるんですが、この路線で好シナリオを望むのはもう限界なのかなって感じですよね。
個人的には好きなんですが、他人に薦めるにはもうワンパンチ足りない感じで、うぃんぐさん同様、私もレビュー的には高評価しづらいって結論になってしまいました(´・ω・`)
by jade (2011-11-03 02:20) 

wing_t

なんというかPULLTOPといえば昔はみんながやるエロゲの代名詞みたいな気がしてたんですけど、そうではなくなったのかという。

という話はさておき、個人的には好きなところが好きすぎるだけに、もうちょっと澪里と虫ガールはテコ入れして欲しかったなぁという気持ちはありますな。
by wing_t (2011-11-04 23:37) 

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