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八乙女梓乃 攻略ver1.00 [かにしの]

八乙女梓乃 攻略ver1.00(06/12/09)

第01話「汝等此処より入りたる者」

第02話「犬、ボール、そして風祭みやび」
今も続く集会に溜息をついた
第03話「自由と伝統と」
殿子「梓乃と私が中学へ上がった頃から、梓乃はいじめられるようになって……」
殿子「梓乃が私に隠れたような仕草を見せ始めた時に気付くべきだったんです。でも、気付かずに来てしまった。」
笑いかけると高台を降りていくのだった
抵抗できない無力な自分への呆れ笑いだった
第04話「困惑のお料理コンクール」
彼女は真っ直ぐに僕の顔を凝視している。
なにか不満そうに。あるいは恐れおののいて。
………やっぱり僕が傍にいると怖いのかな?
僕はこの時そんな風に考えていたのだが、実際には八乙女はまったく違う事を考えていたらしい。

わたしが他人を恐れるのは、見知らぬ他人による変化が怖かったから。
つまりわたくしが最も恐れるタイプの人ということになる。
そんな彼に殿ちゃんが興味を抱いている。
それはわたくしにとって二重の意味で恐怖になりえた。

わたくしは顔を伏せたまま、滝沢司という男の靴をじっと睨み付けていた。
それは直接睨み付けられない情けないわたくしの、ささやかな抵抗だった。

八乙女は人前に出るのが苦手だ。
だから多くの人が居る場所では集中できなかったのかもしれない。
僕はそんな風に考え、取り立てて不思議には思わなかった。
第05話「梓乃の決意」
ずっと後になって気付いた。
この決意こそがわたくしにとって大きな大きなきっかけだった。
これまでのわたくしは常に受身で、何かが起こるのを待っているだけだった。
そんなわたくしが、必要に迫られたからとはいえ自分から先生に働きかけようとしている。
ましてやそれはわたくし自身が恐れる変化を作り出すことでもあった。
理由も目的も褒められたものではない。
何もかも悪いことばかりだった。
後になって思い出すと情けなくて恥ずかしい事ばかり。
しかし殿ちゃんを取り戻そうと言う強い感情は、わたくしにその第一歩を踏み出させた。
そう。
これこそがわたくしが生まれて初めての恋に落ちる、最初の一歩だった。

罪もない人を陥れようとする卑劣極まりない行為だった。
しかしそれは先生と自分とを対等に扱うという意味では大きな大きな進歩だった。
こうしてわたくしは何の自覚も無いままに進歩の階段をまた一歩、登っていった。
第06話「ハイタッチと服の袖」
ハイタッチ。
彼女が恐怖症を抱えているのは解る。
だけど今この瞬間、どうしてもそれをやっておきたかった。
それくらいに嬉しかったのだ。
パシン。
打ち合わされた手。
それは思いもよらない、突然の出来事。疲れていた事もあって怖がる余裕もなかった。
確かに怖かった。他人に触れるのは何よりも恐ろしい。
けれどあの時は確かにああするのが正しかった、そんな気もするのだ。

………穏やかな瞳だな。
それが彼の目を覗き込んだ時の第一印象だった。
まるでお父様が、おじい様が、わたくしを呼ぶ時のような声。
ずっと気付かなかった。
彼がそんな風にわたくしを呼んでいたという事に。
第07話「花火、殿ちゃん、全ての始まり」
梓乃「………みんなも居た方が、楽しいですよね?」
僕にはその時、彼女の目元で涙が光っている事に気付いた。
梓乃「みんなと一緒に花火を見て、お食事をして、それを自分は楽しいって感じてる。そう思ったら、なんだか、涙が………止まらなくて……」
彼女の頬を流れる筋は、七色の光を宿していた。

強い想いは原動力となる。
行動を起こすための。あるいはそう、自分の力で生きる為の。
また悪い事がきっかけとなった。
けれどわたくしはまた一段、進歩の階段を登っていった。
もちろん自覚なんかない。
この時のわたくしはただ、滝沢司という人間を、ひたすらに憎んでいた。
今日までに感じた彼への微かな好意も全て忘れてひたすらに憎んだ。
強い強い、想いで。
第08話「真の恐怖」
先生に着せようとした罪。それがまさに今自分の上に降りかかっている。
この現実に直面したとき、自分がどれほど幼稚な事を考えていたのかが嫌というほど解った。
これほどの悪夢だとは思っていなかったのだ。
これほどの狂気だとは思っていなかったのだ。

なんとかしなくちゃ。
すぐにそんな風に思った。この状況をこそ望んでいた筈だったのに。
それなのにわたくしは先生がそんな目に晒されている事が我慢ならなかった。
先生の気持ちは痛いほど良く解る。
謂れの無い事で彼にそんな思いをさせたくない。
一瞬だってそんな事は。

梓乃「信じていますから」
梓乃「先生はわたくしを守ってくれるんだって」
梓乃「………そして貴方はそういう信頼を裏切らない人だって」
第09話「ステップ・バイ・ステップ」
フォークダンスを踊れている。
その実感はわたくしにとって何よりも嬉しいものだった。
嬉しくて、楽しくて、そして幸せで、涙が出そうになった。
上手く踊れているからこそ悲しくなった。
嬉しいから。楽しいから。愛しているから。
だから、わたくしと先生の間に挟まっている手袋が嫌で嫌で仕方が無い。
わたくしと先生との間に挟まった2枚の布切れ。
それはわたくしにとって防波堤であり、同時に大好きなその人を遠ざける壁でもあった。
けれどもわたくしは信じていた。
この人は待ってくれている。わたくしが壁を乗り越えるその時を。
この分厚い壁の向こう側で、両手を広げて待ってくれているのだ。
第10話「広がる世界」
先生は、わたくしと同じなのだ。
手酷い裏切りを受け、そして別の誰かに救われた。
この人も、わたくしと同じようにして苦しみの中を抜けて来たのだ。
梓乃「終わったら、先生に言う事があった」
梓乃「………だいすき」
第11話「掴んでいるもの」
これまでずっと梓乃を見ていて気付いた事があった。
それは僕に備わっている筈の欠陥の事。
以前つきあっていた女性が去って行った本当の訳。
多分僕は恐れていたのだ。
愛して、そしてそれでなお裏切られ、捨てられる事を。
実の両親がそうしたように、愛した人に裏切られて捨てられる事を恐れていたのだ。
梓乃と僕は本当に良く似ていた。
どちらも本当にギリギリのところで他人を内側へ招く事が出来ないのだ。
かといって温もりが欲しくない訳ではない。
僕は彼女が好きだったし、彼女も僕の事が好きだった。
お互い好きになって、そしてお互いに距離が必要だと思っているなら、問題なんて何処にもない。
こうして向かい合っていられるだけで十分なのだから。

司「生きろ梓乃ッ!!お前が掴んでるのは僕の手なんかじゃないっ!!お前の人生なんだぞっ!!」
手を握らないという事は、他人を恐れるという事は、慣れた環境だけに逃げ込むということは、命を、そして人生を投げ捨てる事に他ならないのだ。
これはわたくしの未来。わたくしの人生。
他人の手を放すという事は、自殺にも等しい行為なのだ。
そんな当たり前の事が、今になってようやく解ったのだった。
第12話「八乙女梓乃のやり方」
梓乃「わたくしは貴方を、貴方はわたくしを。互いに恐れている。でも、でも!」
梓乃「だからこそ一緒に乗り越えてください」
梓乃「わたくしが貴方に触れている事に慣れる時まで」
梓乃「そして、貴方がわたくしの想いを信じられるその時まで」
梓乃「せ、先生っ。生きてくださいっ!」
梓乃「貴方が掴んでるのは、わたくしの手なんかじゃない!貴方の、貴方の人生なんですよ?!」
今この子の手を放してしまったなら、今後僕は誰の事を愛せるだろう?
ずっと逃げ続けるのだろうか?今後も僕を愛してくれる人間の全てから。
それで本当に生きていると言えるのか?そこに一体どんな未来が待っている?
確かにこの細く小さな手は、確かに僕自身の人生そのものだったのだ。

梓乃「だってこれでやっとあなたに、血の繋がった家族を作ってあげられるから………」
それこそが、この八乙女梓乃という少女の強さの根源だった。
僕の心の奥の傷は、たった今お前が塞いでくれた。
梓乃「今度はわたくしを救ってください。今ここで」
梓乃「こんなわたくしでも人と愛し合えるのだと、証明してください」

司「梓乃、1つだけ怖い事がある」
司「梓乃、お前に溺れてしまいそうだ」
梓乃「困りましたね。2人で溺れたら、助ける人がいません」
梓乃「練習しておきましょう」
梓乃「人口呼吸を」
Epilogue「掴み取ったもの」
みやび「おい、うっかり逆玉男、そろそろしっかりしろ。嫁が可哀想だぞ」

梓乃「この子はわたくしの犬なんです」
僕の投げかけたそんな言葉に背を向けて逃げ出した臆病な少女の1年越しの答えだった。
その言葉は僕の胸の奥の方まで入り込み、懐かしさと共にささやかな幸せを僕にもたらしてくれた。

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